ミルク倉庫+ココナッツ Miruku Souko + The Coconuts
cranky wordy things
『神秘主義』とは、ギリシャ語の“myein”(眼と口を閉じる)が語源であるといいます。 これは自身を外部から対象化し把握するのではなく、主体がその内部を通し客体(無我)へと押し開かれる変成過程を捉えた実践的思想なのです。
プラトンの『ティマイオス』では、世に満ちる「宇宙霊魂」の中に偏在する個人が組込まれているとされます。我々が何かを学ぶ時、外部から知識を獲得するのではなく、この「宇宙霊魂」が「想起」され―いうなればベロッと裏返る巨大な脳ミソの渠を内側からなぞるように―慧智は引き出されるのだというのです。これに倣えば、人は異界より来る悪霊や狐に憑かれるのではなく 内に眠るそれらを呼覚ますといえるでしょう。
どんな事物も潜在的な接続可能(媒介)性を持っています。 むしろ鉄屑や肉塊が「物質である」という時、我々は閉じた媒介性の束(量塊)をみているといえるのです。ともすると身体は先天的存在なのではなく、偏在する事物が魂の具体的事例となり得た時の媒介性の顕われ[embody]こそなのだといえるでしょう。言換えれば、物質という有限性を凌駕する何かしらに憑かれ、一時の「身体」がたち現れるのです。
外部から得たと思っていることは、本当は、自らの内から呼び覚まされたものなのではないでしょうか。人の寝入りばなの実験の記録映像と、勝手に動く道具や物で構成された空間が、感覚を揺さぶり、物や身体に対する認識を変えていきます。
《cranky wordy things》
What we think has come from the outside may actually have been awakened from within us. Constructed from experimental video recordings of people going to sleep and tools and objects that move by themselves, this space stirs up our perceptions and changes our awareness of objects and our bodies.
mirukusouko (Milk Warehouse) + The Coconuts
Formed in 2015 / Based in Tokyo
2016/3331 Art Fair 2016 -Various Collectors Prizes-(ミルク倉庫+ココナッツ)/アーツ千代田 3331/東京