耳のないマウス Earless Mouth / Mouse
移動する主体(カタツムリ)
私たちの生活するこの社会は経済活動における有用性において物事の価値が判断されているように思えます。
私たちの合理主義的な意識(言語)によって構築された目の前に広がる現実も、同じ言語を用いて別の使い方をすれば今よりも恐ろしいものにも、滑稽なものにもなり得るのではないでしょうか。
作品「移動する主体(カタツムリ)」はその言語(記号)と、それが指し示す対象との差延が生み出す様々な現実の、普段はあまり浮き上がってこない一面を切り出そうとする試みです。
日常は習慣化された思考から離れれば、今よりもおぞましくも滑稽にも、また美しくもなります。手遊びで“カタツムリ”の形をつくり、指だけが動いている手(記号)とそれが指し示す対象との差延により、自明のものとして受け入れている価値観に疑問を投げかけます。
《Shifting Self (Snail)》
If we can get away from habituated thought, the everyday becomes more gruesome, comic, and lovely. By recreating the shape of the popular hand game in which a clenched fist and two fingers represent a snail, the artists interrogate the “obvious” nature of accepted values through the difference between a hand (symbol) in which only the fingers move and the subject it denotes.
Earless Mouth / Mouse
Formed in 2015 / Based in Nagano Prefecture and Tokyo