三木 陽子 MIKI Yoko
Conduit(導管)
私はこの度の身体の行方というテーマに向かい、日常存在するにもかかわらず忘れがちな見えざる世界と見えている世界の境界を表現します。
私の闇(見えざる世界)のイメージは決して暗く絶望的な虚無なものではなく、生命の息遣いや感触、個ではない意識、それらを包括する根源的な全てであり宇宙そのものです。
数十年の間、私は身体やプリミティブなものについて、そしてそれらから派生する個が個であるための意味や人類の進化に伴った虚の世界と実在する身体との関わりを思考してきました。
私の作品制作での主なる方法の陶芸は手で考える触覚の表現であり芸術であると感じています。人間には五感があり、視覚と聴覚は客観的、嗅覚と味覚は主観的、触覚はその両方の感覚を持ち得ている感覚であり、何かを触った時、同時に自分の内部も感じるという、まさに外部と内部を結びつける、無意識と意識を結びつけることのできる純粋で根源的な感覚です。
陶と触覚から放たれる生命のイメージとケミカルな素材から生まれる工業製品を組み合わせたオブジェを与えられたキューブに貼り巡らし空間を作り上げ、身体の無意識の中に存在する宇宙への境界をコンセプトに制作します。
触覚は、客観・主観両方を持ち、外部と内部、無意識と意識を結び付ける、純粋で根源的な感覚。自身の手から生まれた陶のオブジェに、それらと相反する概念を持つ工業製品を組み合わせて壁面に張り巡らせ、見えざる世界と見える世界の境界を表現し、身体の内部に眠る無意識を喚起させるインスタレーション。
《Conduit》
Touch is a pure, primordial sense that has both objective and subjective aspects and connects the exterior and interior, unconsciousness and consciousness. Ceramic objets d’art made with the hands themselves are combined with industrial products with contrasting concepts and arrayed around the walls as an expression of the border between the unseen and seen worlds- in an installation that awakens the sleeping unconscious within the body.
MIKI Yoko
Born in Hyogo Prefecture in 1963 / Based in Kyoto Prefecture