水無瀬 翔 MINASE Sho
DEMO DEPO イン・ザ・キューブ支店
消費社会の発展によってあらゆるものが商品として流通し、分業化の進行はさまざまな行為の代行を可能にしてきた。
本作品では、デモ行進のような人間(市民)が主体的に行うような行為をロボットに代理させ、さらにそうしたデモ行進までも商品として流通することを批評的に表現するため、デモ用ロボット貸出店舗「DEMO DEPO」を考案する。貸出用ロボットは実際に京都市で警察署および公安委員会から正式に許可を受けてデモ行進を行っている。
店内には参考映像として、京都で行なったロボットのデモ行進の映像が流れており、顧客(貸借人)はその映像を観てどのようにロボットでデモ行進するか参考にできるようになっている。貸出料金は無償で、そのかわり貸借人はデモ行進の映像記録の義務を負う。このように実際に貸出可能なショップとして展示を行うが、ロボットによるデモ行進を推進することが本展示の目的ではない。あくまで店舗という日常的に接する社会的な形態を展示形式として採用するのは、本来人間がその身体を使用してするはずの行為をロボットが代理を務めるという、現実には可能だが、絵空事のようで、ある意味滑稽な実践にリアリティを与えるためである。
主体性が商品として流通することについての批評的表現。デモ行進用に設計されたロボットの貸出を行う店舗で、鑑賞者は顧客としてデモ用ロボットを無償で借り受けることができます。
《DEMO DEPOT IN THE CUBE Branch》
This installation is a critique of the circulation of subjectivity via commercial products. It involves opening pop-up stalls that lend out robots designed to perform demonstration marches, with visitors able to borrow robots for demonstrations free of charge.
MINASE Sho
Born in Kyoto Prefecture in 1984 / Based in Kyoto Prefecture