安野 太郎 YASUNO Taro
THE MAUSOLEUM ー大霊廟ー(C)IKEDA Yasunori
「THE MAUSOLEUM」は数珠つなぎにケーブルで繋がれた合計12台の自動演奏装置が奏でる音楽作品です。彼らはエネルギーが供給され続ける限り永遠に情報を交換しながら音楽を生成し演奏します。現在より遥かな未来、もはや人類が滅びた後の世界に、永久に人類を葬送する大霊廟として残された施設でなり響く音楽という想定です。
音楽は常に今ココという時間を流れるもので、霊廟は過去を祀る建造物です。展示という形式で自動演奏される音楽は、時空を超え、未来の墓という矛盾した存在として立ち上がります。
この作品を構成する作家自身によって作られた自動演奏リコーダーの奏でる音楽は「ゾンビ音楽」と呼ばれています。ゾンビ音楽は「音楽する非・身体」が奏でる音楽です。ゾンビの非・身体とは人間の身体の模倣でも拡張でもありません。意志を剥奪され体だけが動いている非・身体。それは人類に対して鏡を掲げそこに映る姿を表しています。
ケーブルで繋がれた12台の自動演奏装置は、エネルギーが供給され続ける限り、永遠に情報を交換しながら「ゾンビ音楽」を生み出します。それは、人類が滅びた未来で、永久に人類を送葬し続ける霊廟で鳴り響いている音楽なのです。
《THE MAUSOLEUM》
Twelve automatic performance devices connected by cables will continue to exchange information for ever, and to create “zombie music” for as long as their energy supply is continued. This is the music that would play in the mausoleum to eternally humanity’s funeral rites in a future where humankind has perished.
YASUNO Taro Born in Tokyo in 1979/Based in Saitama Prefecture