AAICのプレイベントを、2月12日、岐阜県美術館で開催しました。
10組の出展作家が岐阜に集結。午前中は、館長室にて“日比野ゼミ”で、お互いに気になる作家や作品について質問をしたり、素材の扱い方について意見交換をするなど、刺激をうけあいました。
アートプロデューサーの山口裕美氏も加わったランチミーティングでは、ライバルでありつつ、ともに展覧会を創っていく仲間として、和やかに語り合いました。
午後からのプレイイベント第1部では、来場作家全員がステージに上がって、自作についてひとこと紹介。選ばれし者としての緊張感とともに、制作のモチベーションが上がったことでしょう。会場からは暖かい拍手が送られていました。
第2部では、アートプロデューサーの山口裕美さんが、アートマーケットの動向などを紹介しながら、「現代アートは私たちが今生きている時代を表現する一方、少し先の時代の空気も示す。作家と直接話を聞けることもメリット」と、現代美術を楽しむ秘訣を伝授しました。
日比野克彦館長は、「地方(岐阜)から発信しアートシーンをつくっていく」「AAICは、コンペティションでありつつ、アーティストを育てようという目的意識が強い。作家育成機能をもち、かつ、作家たちはグループショウの一員のような立ち位置で大切にされているのは希有」と評価しました。
美術館がどう現代社会にふさわしいあり方を見出していくか、そこでのプレイヤーとしてのアーティスト、そしてリレーショナルアートやアートコミュニケーションなどの試み、地域文化産業やメディア育成の課題など、AAICを通し、アートに関わるさまざまなことが考えなければなりません。
会場からのQ&Aタイムでは、「高齢者層に理解ができるのか」という意味の質問に対し、幅広いジャンルをカバーするラインナップで日本の現代美術の潮流の一面を観られるAAICは、評価が未確立なものを評価していく機会であり、評価の土俵にあげていくことが、AAICの重要な使命であることが確認されました。