プレイベント「アートの手ざわり もの、どのように感じてる? 伝わってる?」ワークショップを、2016年12月、飛騨・世界生活文化センターで開催しました。雪の舞うなか、12人の子どもたちが、緊張の面持ちで集合しました。
講師の堀川すなおさんは、「ワークショップを通して多くの人と出会い、人はどのようにモノを見て理解しているかを探りたい」と、さまざまな年代の人々の感覚とイメージについて綿密に考察し、記録・分析している作家です。
最後に、自分の書いた言葉がとなりの人にどう伝わったのか、みんなで話し合いました。言葉のとおりに描かずに、「丸くて上のほうがザラザラって書いてあったから、どんぐりだと思った!」など、自分の想像で絵を描いた参加者もチラホラ。
「言葉にするのは難しかった」「イメージが違ってた」など、子どもたちは、モノを理解すること・伝えること・表現することの背景に、複雑で面白いメカニズムがあることを感じとったようです。
ワークショップ後、堀川さんは、子どもたちに「言葉では色のことは書いていないのに、なぜこの色を塗ったの?」など、個別にヒアリング。大勢の前では恥ずかしがっていた子どもたちも、「先生にこの気持ちを話したい!」「自分がどう感じたか伝えたい!」と列をつくってお話をしてくれました。
堀川さんは、1週間ほど高山市に滞在し、地域についてもリサーチ。このワークショップは、Art Award IN THE CUBE 2017で、堀川さんの作品にリンクしていきます。「説明―記録―表現」の痕跡が、どのように展示の一部になるのか、ご期待ください。
飛騨・世界生活文化センターは、飛騨地域(岐阜県北部)の主要文化施設の一つです。アートの体験・交流の場ともなったこのワークショップは、堀川さん自身にとっても、子どもたちを対象とする初めての実験的な制作手法でした。清流の国ぎふ芸術祭Art Award IN THE CUBE 2017では、これからも、アートに関わる人材育成や作家サポート、アートに触れる機会を地域に提供していきます。
(M.T)