社会性をもった欲求を実現させるための手段として法的に制度化されている“デモ”に着目した水無瀬翔さん。〈DEMO DEPO イン・ザ・キューブ支店〉は、「ロボットがデモをする」という起こり得る未来の店舗をインスタレーションとして提示することにより、発想や価値観に刺激を与える作品です。
“店舗型インスタレーション”で展示されるiPadは、ロボットの「顔」となり、客となった鑑賞者に選ばれる存在となります。そのiPadで再生する顔の画像を録るため、水無瀬さんと、同じ研究室に所属する映像作家のお二人が岐阜県庁に来庁しました。
Art Award IN THE CUBE 2017 の事務局職員なども急きょ出演を頼まれ、レフ板をあてられながら、「微笑んでください」「次は思いきり笑ってください」などの指示を受けて、次々と撮影されていきます。
この画像は、iPad用に加工し、展示のテストを京都芸術大学で行うとのこと。Art Award IN THE CUBE会期中には、来場者が客役になったり、店舗運営に関わるなど、役割を演じることや架空の商売を通して、見る鑑賞ではなく構想する鑑賞を体感することができます。
また、動画を使った制作で必須となる肖像権への配慮についても、事務局と「肖像権使用同意書」の調整を行いました。
新しい手法で観念や制度にアプローチし、映像・空間デザイン・コミュニケーションなどの隣接領域を統合し、批評的な表現を試みる水無瀬さんの〈DEMO DEPO イン・ザ・キューブ支店〉は、いったいどのようなものになるのか? ぜひ、来場してお確かめください。
水無瀬さんは、ロボットの製造補助や店舗運営に関わる店員募集も考えているとのこと。今後の情報にもご注目を!