アーティスト


透明の対話
Transparent dialogue
松本 和子 MATSUMOTO Kazuko

透明の対話

わたしは「剥離と忘却」をテーマに、フレスコ壁画の作品空間を展開します。絶えず変化し続ける社会的背景と、それらから様々な影響を受けて宙を彷徨う個人の意識との親和性や透過性を見つめると共に、人々の忘却の痕跡を現代的に昇華させるような光景を表現したいと考えています。

これらのテーマの絵画空間を、砂と灰と水という自然素材から成るブオンフレスコやストラッポ(表層を剥ぎ取る)などの古典技法を用いて展開することは、生き物のはじまりと終わりのような忘却の連鎖を身体的に表現することに繋がり、かつて古代の洞窟壁画でもそうだったように、人々が生きた時代の気配を遺すことができると感じています。フレスコの漆喰層それ自体が幾層ものヴェールに包まれた生誕の場であり、また褥でもあるのです。

わたしがフレスコ画を描くことは、他者との共通感覚であるヴェールのようなものを通じて、今日的な剥離と忘却の痕跡に関わろうとする試みだと考えています。



松本 和子

1988年大阪府生まれ。京都府拠点。
京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻壁画修了。
2016年から下京渉成小学校(京都)で滞在制作。
2013/京芸 Transmit Program #04 KYOTO STUDIO/京都市立芸術大学ギャラリー@KUCA/京都
2015/2015京展/京展賞(最高賞)受賞/京都市美術館/京都
2016/愛好家の面影(個展 )/MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/w/京都
2016/京都府新鋭選抜展-琳派FOREVER-/京都文化博物館/京都
「剥離と忘却」をテーマに、古典技法であるフレスコ技法を用いて、身体や記憶、空間の表現について今日的な可能性を探ります。