アーティスト

出展作家

  • 無秩序の中の秩序
  • 笠原 巧KASAHARA Takumi
作品コンセプト(入選時作家コメント)
神話論理に基づき駆動する機械群に、「長さを測る」という古代から脈々と続くプリミティブな人的行為を代行させる作品を制作する。これは、ヒトがもつとされる「記憶」が、「場」の生成した姿であることを示す試みである。つまり、ヒトが「記憶」を常に所有しているのではなく、「場」のほうが記憶の多くを把持している。よって、現実の「場」に身を置くことで、まっさらな「記憶」の持ち主たる機械にも、「長さを測る」人的行為は可能と考える。レヴィ=ストロースは『神話と意味』の中で、 無秩序の外観の背後に秩序を見出そうと試みることが構造主義の志向するところだというように⾔った。これに倣うなら、「記憶」とは、「場」という実環境のもつランダム性・無秩序の中から立ち現れる一糸の法則=《秩序》だといえるのではないか。わたしたちは、古に代表される神話的思考と、現代のコンピュータを生み出したような科学的思考とが、はじめから分離しているイメージをもつ。しかし、古代も現代も宇宙という同じ空間にいた・いる事実を真に受けとめるなら、神話と科学に本当は断絶などない。なぜなら、ヒトの記憶の根はひと塊で、空間を漂う見えない《秩序》に支え続けられてきたのだから…。
作品紹介
神話に登場する「ガンギエイ」の動きに基づき、複数台の測定機械がキューブ内で長さを測る。エイ特有の二項性と生体の持つ揺らぎが機械を通過し、「長さ」という秩序が空間に出現する。ヒトの古層に流れる神話と科学、未分離の記憶が「場」を介し生成する。
笠原 巧 KASAHARA Takumi (岐阜県拠点)
1993年
岐阜県生まれ。
2014年
岐阜工業高等専門学校 電子制御工学科 卒業
2016年
神戸大学 海事科学部 卒業
2019年
神戸大学大学院 海事科学研究科海事科学専攻 修了