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2018.10.09

【記事】AAIC企画委員インタビュー

【AAIC企画委員インタビュー】

AAIC2020のスタートに際し、桑原鑛司委員長にお話を伺いました。

 

Q AAIC2020の公募要項が発表され、いよいよ第2回がスタートしますが、改めて、AAIC開催に至る経緯をお話しいただけますか?

戦後69回を重ねた「岐阜県美術展(県展)」は、その役割を存分に果たしてきたと言えます。一方で、このままでは若い人たちによる新しい表現を伝えきれないのでは、という思いがありました。

そこで、他にはない斬新な展覧会を創ろうと、様々な議論を重ね、AAICの開催に至りました。

 

Q 「他にはない斬新な展覧会」としてのセールスポイントは何ですか?

作家支援として、「作品制作をサポートするチームの存在」「制作費補助として50万円の支給」などが挙げられます。

丈六のキューブを展示空間とすること、作品制作において大きな縛りがないことも特徴で、自由度の高い公募展だと思っています。

 

Q 第1回のテーマは「身体のゆくえ」、第2回は「記憶のゆくえ」ですが、テーマに込めたものとは?

芸術作品の根源にあるテーマは「人間」であると思っています。1回目は「身体」に着目しました。そして、2回目は「記憶」です。「記憶」という言葉から思い浮かぶものは、人それぞれ違うはずです。テーマとして与えられたとき、どんなものを創ってくれるのか?期待しています。

 

Q 第2回のAAICに向けて、特に留意したい点などがあれば

公募展として、もっと意識していきたいのは、観に来てくれる人たちのことです。例えば、テーマを念頭に置き、展覧会全体を観たときに何が見えてくるのか?より深い理解を促すために、何ができるのか?

作家の作品に向きあうことと同時に、展覧会そのものを一つの作品だと捉え、私たちもこのAAICを育てていきたいと思っています。

 

2018年9月28日 岐阜市内にて


桑原鑛司 画家/AAIC企画委員会委員長
元岐阜県美術館学芸員、元ヤマザキマザック美術館学芸室長