セラミックパークMINOで開催された清流の国ぎふ芸術祭アート体験プログラム‐アートラボぎふ‐「ワークショップギャザリング」の講師として、岐阜県を訪れていた谷本真理さん(AAIC2017入選作家)にお話を伺いました。
Q AAIC2017を知り、応募してみたいと思った動機は何だったのでしょうか?
まずは、第1回目という点、それと審査員が多彩で魅力的だったことです。公募テーマとキューブでの制作ということ以外、特に大きな制約もなく自由度が高いという点にも惹かれました。ギャラリーでは絶対にできない、大きなことができるという喜びがありました。
テーマについても、「身体」というのは、自分の作品づくりにおいて意識していることでもあり、すんなり入れました。
Q 作品制作の過程で、予期せぬことなどはありましたか?
制作の最終段階で、キューブが当初の想像より狭くて閉鎖的に感じるようになって、「どうしよう!?」と少しパニックになりました。急きょ、丸ノコで壁に穴をあけて開放感を出しました。
他の作家の皆さんもそうだったと思うのですが、キューブと作品の関係性を想像することができるかどうか、うまく使えているかという点も重要なポイントだと感じました。
Q 作品制作で大事にしていることは。
自分の内側に向かう意図や作為からくる息苦しさを解放するため、物や粘土を投げたり、潰し、壊したりすることに付随する「感覚」を大切にしてきました。自分の感覚に正直に行動できたとき、初めてしっくりくる。綺麗なものを作るというより、感覚に正直に行動することが美術だと思っています。
Q 準備段階から本番にかけて、ワークショップの開催、多治見工業高校での滞在制作、公開制作など、いろいろ関わりを持っていただきました。
AAICの場合、比較的長い制作期間があり、制作支援や滞在制作など、人との関わりもありました。それが、ある面刺激になっていて、今回ここでやらせていただいた、人を巻き込んだ試験的なワークショップへとつながっています。
2018年10月20日 セラミックパークMINO(岐阜県多治見市)にて
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AAICをきっかけに、岐阜県が主催する『アートラボぎふ』で新たなワークショップを考案することとなった谷本さん。今回のワークショップは、彼女にとっても、新たな挑戦であり、アイデアを試す場となったようです。
自らの「感覚」に素直に従いながら外部環境との新たな関係性を構築していく彼女の制作活動が、今後どのように結実していくのか、楽しみです。