このたび岐阜県では、想像力溢れる新たな才能の発掘と育成を目的に、革新的な企画公募展「清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2017」します。
本展は、「4.8m(幅)×4.8m(奥行)×H3.6m(高さ)」を無限の小宇宙に見立て、この空間の中でなにものにもとらわれず、今回のテーマである「身体のゆくえ」を、自由に表現(制作・展示)していただこうとするものです。世代、ジャンルは問いません。作家、鑑賞者ともに、国際的な視野と今日の息吹を感じることができる3年に1度の公募展を目指します。
岐阜県は山紫水明の自然に恵まれ、豊かな森を源とする「清流」は県内をあまねく流れ、様々な恵みをもたらしました。全国の作家から多数ご応募いただき、この岐阜の地で生まれた小さな一滴が、やがて大河となり海へと注ぐように、全国そして世界へ発信し、この「清流の国ぎふ」の新たな魅力と活力の創造に繋げてまいります。
岐阜県美術館は「美とふれあい、美と対話する」をテーマに昭和57(1982)年11月3日に開館しました。広々とした敷地は豊かな緑と立体造形作品とが調和して、訪れる人の憩いの空間となっています。
4.8m(幅)×4.8m(奥行)×3.6m(高さ)の空間(直方体のキューブ)
(写真は現在岐阜県美術館に設置してある模型です。実際のキューブは壁面、天井があります)
展示に加えて、交流、地域、教育に関わる、トークイベントやワークショップなどさまざまなプログラムも開催します。本展の意図を共有し、アーティストが地域や県民と交流しつつ教育普及に関わるキャリアを積み、展示の理解を助けるものです。
公募期間:2016年4月11日(月)〜7月8日(金)
第一回テーマ:「身体のゆくえ」
現代社会はコンピュータの発達・普及にともなって発展し、また複雑化してきました。社会を写す鏡である現代アートも、コンセプト、素材、表現方法などあらゆる要素について既存の枠を取り払い、複雑化、多様化の一途をたどっています。
アートはあらゆる可能性を追求すべきですが、その展開のあまりの速さ、広さに、発信者である人間が置き去りにされてしまっているのではないか、多様化そのものが目的化されているのではないかとさえ思われます。
私たちは、美術作品は人間の生の結晶であると考え、今一度、人間そのものである自らの「身体(肉体、精神)」に着目し、その中に何を発見し、何が生まれるのかを問い、現代社会全体をアートの視点で読み直してみたいと考えます。そこで生成される情熱や才能が、丈六のキューブという空間を通して発露される結晶体(作品)を、この「Art Award IN THE CUBE 2017」は大いに歓迎します。