出展作家
- beclouded, becalmed, belighted
- 保良 雄YASURA Takeshi
beclouded, becalmed, belighted
- 作品コンセプト(入選時作家コメント)
- 「記憶のゆくえ」、この言葉は過去から未来を接続できるものだと思います。今回、私は草木から抽出した”色”をモチーフにしています。 色は、現代では、RGB、CMYKなどコード化された情報として扱われていますが、古来では草木と色は相対して、それぞれに固有の結びつきがありました。 例えば、赤い色彩に代表される植物は茜があり、青い色彩には藍が用いられていました。 古来からの言い伝えによると、草木から色を抽出する行為には自然に対する祈りが根底に存在し、抽出された色には草木の木霊が宿ると考えられてきました。 今回の作品では、私は日本で採取した日本茜から抽出した液体を用います。茜は弥生時代 の衣服からも色素が見つかっており、その後、古事記や万葉集の中でも詠まれてきました。明治までの変動する時代の中で様々な象徴としての意味合いの移り変わりを経てきました。タイトルの beclouded, becalmed, belighted は、コード化された色の沼から、色を純化し、不在化した木霊と再接続するという意味を含ませています。
- 作品紹介
- 色は単なる物理現象や知覚現象ではなく、太古より人々が祈りを自然の理に捧げることで汲み出された。天井から吊るされた糸を伝い、かつて国旗にも使われた日本茜から抽出した液体は空気に漂う。自然の営みは空間のなかで機械の律動と交わりどこに接続されてゆくだろうか。
作家紹介動画
作品紹介動画
保良 雄 YASURA Takeshi (フランス、東京都拠点)
- 1984年
- 滋賀県生まれ
- 2007年
- 大阪芸術大学芸術学部工芸学科金属工芸コース卒業
- 2018年
- 東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了
- 2018年
- École nationale supérieure des beaux-arts de Paris 在学
- 2018年
- END OF SUMMER / アメリカ
- 2019年
- Espace de Réflexion―ジャン=リュック・ヴィルムートが伝えつづけた愛と学び― / 東京都
- 2020年
- Jeune Création69 / フランス
- 2020年
- 65e Salon de Montrouge / フランス