出展作家
- Repeat
- Yuni Hong Charpeユニ ホン シャープ
Repeat
- 作品コンセプト(入選時作家コメント)
- 自己の中に留まり死ぬ記憶もあれば、他者に引き継がれ生きられる記憶もある。伝わった記憶は、それを受け止めた者の身体において、元とは異なった形で繰り返される。
私は現在フランス国籍を持つが、母国語は日本語で、生まれは在日コリアンだ。こうした国々の記憶は、個々のナショナリズムに回収されず、自分の身体にそれぞれ引き継がれている。例えば、私の話すフランス語に日本語のアクセントが残っているのは、過去に日本語を話していた口の筋肉が、住む場所を変えても勝手に同じ動きを繰り返すからだ。また、昔習った朝鮮舞踊も同じで、私はもう在日コリアンではないけれど身体は踊りを覚えている。もちろん忘れてしまった部分もあるから、その踊りは断片的でオリジナルとはずれているだろう。
身体に刻まれたある国の記憶は、移動により生じたずれを内包しながらどう他者へ伝わり繰り返されるのだろうか。今回は、元いた場所から離れて繰り返される記憶のゆくえを追いたいと思った。キューブ内正面には、子供が作者にフランス語を日本語のアクセント無しで発音できるよう教える映像が、また左右には、ダンサーたちが朝鮮舞踊の動作を伝言ゲームのように伝え合う様子が映される。
- 作品紹介
- フランス語による親子の会話の映像と、朝鮮舞踊の断片的な動作を相互にやり取りするダンサーたちの映像を投影する。
在日コリアンとして日本に生まれ、現在フランスで暮らす作家自身の記憶のゆくえを追う作品。
作家紹介動画
作品紹介動画
Yuni Hong Charpe ユニ ホン シャープ (フランス拠点)
- 1981年
- 東京都生まれ。
- 2015年
- パリ=セルジー国立高等芸術院 卒業
- 2015年
- Mulhouse 015 ミュールズ国際青年ビエンナーレ グランプリ受賞/フランス
- 2017年
- ゲンビどこでも企画応募 島敦彦賞受賞/広島現代美術館/広島県
- 2019年
- Festival 100%/Parc de la Villette/フランス
- 2020年
- CND(フランス国立ダンスセンター)にて滞在制作/フランス
- 2020年
- 65e Le Salon de Montrouge/Le Beffroi/フランス
- 現 在
- パフォーマンスを中心とし、主にフランスで制作