アーティスト

出展作家

  • サカサゴト
  • 岡 ともみOKA Tomomi
サカサゴト

作品コンセプト

縄文時代の日本では、あの世はこの世のあべこべである、と信じられていた。こちらが夕ならあちらは朝、こちらが夜ならあちらは昼。このような考え方は、現在でも「サカサゴト」と呼ばれ、死人が出た際には日常の様々な動作を逆に行うという風習として、日本各地に残っている。展示室では、まさに「サカサゴト」のように、本物の時計の盤面は反転し、逆回転している。そんな古時計が反転するとき、忘れ去られようとしている葬送の風習を思い出すように、内部の映像が再生される。自身も忘れ去られようとしている古時計は、忘れ去られた風習の墓跡のようにそこに立ち、あの世とこの世の境目を曖昧なものにしている。かつて日本にあった葬送の風習を調べていくと、小さいコミュニティや人がかけた思いがそれぞれにあることがわかる。逝ってしまった人やあの世のことを、生者の誰もがリアルに感じることができない。だからこそ、あの世やあの世への道を想像し、手に取ろうとする。それを想像しようとする営みそのものが、死を自身の中にリアルなものとして受け入れるそれぞれの儀式になって行くのかもしれない。

作家紹介動画

OKA Tomomi

岡 ともみ(東京都/岡山県拠点)
1992年
東京都生まれ
2018年
東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業
2019年
ベルリン芸術大学留学
2022年
東京藝術大学美術研究科修了
現在
同研究科博士後期課程在籍
主な受賞歴
2022年
三菱地所賞/日本/東京
2022年
第16回shiseido art egg入選/日本/東京
主な展覧会
2018年
個展「どこにもいけないドア」/art space Kimura ASK?P/東京
2018年・2019年
オープン・スペース/インターコミニュケーションセンターICC/東京
2022年
個展「誰そ彼時の部屋」/art space Kimura ASK?P/東京
2022年
shiseido art egg岡ともみ展「サカサゴト」/SHISEIDO GALLERY/東京