出展作家
- 触れるもの、
絶対に触れないもの - 柴田 美智子SHIBATA Michiko
触れるもの、
絶対に触れないもの
絶対に触れないもの
作品コンセプト
「リアル」とはそれを失った、又は失いかけた時に初めて生まれた観念ではないか。だとすればリアルについて考えることはリアルの喪失について考えることでもある。十代の頃から、自分を取り巻く環境のリアリティがひどく希薄になってしまい苦痛を覚える様になった。私の制作は現実感を失い無感動に陥った世界に生気を呼び戻すことを一つの目的としている。その方法は①実感として捕らえ辛い、今を生きているとはどういう状態か②死は何か③リアリティを失うような事態に陥る人間の、他の動物とは異なる特殊とは何か、という問いに纏わる雑多なイメージを集めて物化し、部屋や箱などの境界の中に配置しながら、問いをナラティブの内側に取込んでゆく一種の箱庭療法である。配置に使う模型素材として重要なアイテムが猿である。猿は自分と分離してしまった生きている部分のメタファであり、私自身のアバターでもある。死んでゆく猿、再生する猿、不死の猿等を作ってきたが、今回は生きる猿とそれを距離をもって見つめる猿を箱の内に置くことにする。そして社会と時間を持ち虚構のシステムに強い現実性を見出す人間についてのモデルと共に展示したい。
作家紹介動画
SHIBATA Michiko
柴田 美智子(東京都拠点)- 1955年
- 東京都生まれ
- 1980年~1982年
- 美学校 絵画教場にて菊畑茂久馬に師事する
- 1994年~
- 主に個展、グループ展で作品の発表を行う
主な展覧会
- 1994年
- 「個展」廃墟に似た場所/好文画廊/東京都
- 1997年
- 「個展」縁をなぞる/Gallery FLESCA/東京都
- 1999年
- 「個展」不能/Key Gallery/東京都
- 2003年
- 「個展」デッサン集・道を歩く猿/Key Gallery/東京都
- 2009年
- 「個展」この世の水/Span Art Gallery/東京都
- 2011年
- 「個展」牛に触れる/新宿眼科画廊/東京都
- 2017年
- 「個展」変容/SPC Gallery/東京都
- 2018年
- 「個展」猿が家の中に居る/宇フォーラム美術館/東京都
- 2020年
- 「個展」緊急避難/Gallery brocken/東京都
- 2021年
- 「個展」祖霊/1010 Art Gallery/神奈川県
- 2003年
- カメ3展/ギャラリーバルコ/東京都
- 2006年
- 今日の反戦展/原爆の図丸木美術館/埼玉県
- 2017年~2022年
- 815展/好文画廊/東京都