出展作家
- 石と柵 岐阜
- 大西 康明ONISHI Yasuaki
石と柵 岐阜
作品コンセプト
時間の堆積を象徴する石の形態を借り、河原全体をトレースする試みです。地球の内側から生まれたマグマが固まり、土砂の堆積など川の流れに乗りながら削られて形を変えてきた石は、地球の表面を巡りながら水平方向に広がる河原を形成します。石は人工的な境界である柵を想像させる構造体に配置します。河原に辿り着いた石は銅箔で型取られることで外側と内側の形態、これまで削られてきた部分やこれから削られていく部分の量や時間をも示し、それらを再構築して大きな形態へと戻しているとも言えます。また、銅箔で石を覆い、石を取り出して形を残すシンプルな方法は、その石の一部を再現することしかできず「すべてをわかることが不可能である」ことを暗示します。普段、私たちの生活を支える電化製品などの内側に機能し、紙のように薄い素材でありながら導電性や熱伝導性、耐食性や非磁体性に優れた銅という素材は、時間や空間、境界や空洞、内と外や表と裏を捉える作品へと形を変えます。河原をトレースするという無謀にも思える行為はこの世界を認識する手がかりであり、そこから彫刻を作り出すことが私にとってのリアリティなのです。
作家紹介動画
ONISHI Yasuaki
大西 康明(大阪府拠点)- 1979年
- 大阪府生まれ
- 2001年
- 筑波大学芸術専門学群技術専攻 卒業
- 2004年
- 京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻 修了
- 2007年
- 第1回秀桜基金留学賞によりヨーロッパに滞在
- 2011年
- ポーラ美術振興財団在外研修員としてイギリスにて研修
主な受賞歴
- 2007年
- 第10回岡本太郎現代芸術賞展 太郎賞
- 2014年
- 咲くやこの花賞 大阪市
主な展覧会
- 2017年
- 「個展」 空間の緑/アートコートギャラリー/大阪府
- 2018年
- 水と土の芸術祭/万代島多目的広場/新潟県
- 2018年
- The Moon/ルイジアナ近代美術館/デンマーク
- 2019年
- Negative Space/ZKM/ドイツ
- 2020年
- Writing of Light/National Taiwan Museum of Fine Arts/台湾
- 2021年
- 高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.09/高松市美術館/香川県
- 2022年
- KYOTO STEAM 2022/京都市京セラ美術館/京都府